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藤崎詩織 美樹原愛編
「あ、あの。その・・・」
真っ赤な顔をして戸惑う美樹原愛の姿に、男子生徒は困ったような表情を浮かべて手
を振った。
「あ、いや。やっぱり俺が持ってくよ」
そう言って机の上にあったプリントを持って、教室を出ていった。
(美樹原さんて、本当に男が苦手なんだなぁ。こっちが困るよ)
等と思いながら・・・。
一方で、愛は頬を染めたまま、2クラス離れた教室に向かっていた。
入り口のところで中の様子をうかがっていると、一人の女子生徒が彼女に気づいた。
午後の授業を準備する手を休め、愛に近づいた。
「どうしたの? メグ?」
そう愛に聞いたのは、彼女の親友の藤崎詩織だった。
「あのね・・・詩織ちゃん・・・」
もじもじして、言葉につまる愛の様子に、詩織は納得したような表情を浮かべ、愛の
耳元でそっと聞いた。
「疼いちゃったの?」
コクリとうなずく愛に、詩織は更に聞いた。
「放課後まで待てない?」
その質問に答える替わりに、愛は切なげな表情を浮かべた。それが答えとして詩織に
は十分に伝わった。
「そうね。それじゃ、いきましょ」
愛の背中に右手をそっと添え、詩織はそう促した。
やがて、二人は校舎一番端の女子トイレへとやってきた。さりげなくあたりの気配を
うかがい、人気がないことを確認した後、二人で個室に足を踏み入れた。
洋式の便器に愛が座り、詩織がのぞき込むように愛の顔を見つめた。
「ぁん、おねがい詩織ちゃん、早くしてぇ」
ささやくように甘えた声をあげる愛に、人差し指を唇に当てて詩織が制した。
「誰か来たらどうするの? 声を出しちゃ駄目よ」
詩織の優しい声に、愛は素直にうなずいた。
詩織は自分のスカートのポケットから、白いハンカチを取り出すと愛の口にあてがっ
た。
「メグはこれを噛んでいてね。声が出ちゃわないようにね」
愛の小さな唇がハンカチをくわえたのとほとんど同時に、詩織の右手が愛のスカート
をたくし上げた。愛もそれが当然のように、自らも小さめのお尻を上げ、詩織の手伝い
をした。
愛の太ももまでたくし上げられた紺色の制服のスカートの裾から、白い三角地帯がち
らりと見えた。
詩織がその薄地の三角地帯に手を伸ばすと、そこはしっとりと湿り気を帯び、さらに
詩織の指が押され込まれると、生地の内側からじんわりと生温かな液体が染みだし、詩
織の指を濡らしていった。
「むんんんぅん」
愛のくぐもった声が低く漏れ、その量が更に増す。
(まったくメグったら、こんなになっちゃって・・・、しょうがない娘ね)
詩織はそんな感想を浮かべながら、愛の右腿の内側からショーツの中に指を潜り込ま
せる。そこは体温より高いのではないかと思えるほど、熱を持った液体で満たされてい
た。
更に指を推し進め、柔らかな肉を優しくねぶり出す。
「むっ、むっ、むふぅん!!」
必死で声を押し殺し、愛の身体が2度3度と痙攣を起こした。
それでもなお、詩織は指の動きを止めない。
その指の動きに合わせるかのようにがくがくと震え、詩織は左手でその身体を支え
た。愛にはほとんど意識がなく、そうしていないと便器からずり落ちてしまいそうだっ
た。
(うーん、メグには可哀相だけど、午後の授業もあるし、手早く終わらせないといけな
いわね)
詩織は愛の敏感な突起を人差し指と中指で、軽くねじりながら挟み込んだ。
痛烈な刺激が愛の身体を襲い、便器の上でのけぞり、その刺激に耐えながら、それで
いて存分に貪った。
「むうううううう!!」
声にならない悲鳴を上げ、愛が果てる。その時
”プシャァーーーッ!!”
と言う音と共に愛の股間から聖水が迸った。生温かな聖水は詩織の右手に直接浴びせ
られたが、詩織はそれを避けようとはせず、むしろ逆にそれを受けとめるように手のひ
らを広げた。
その右手を伝い落ちた聖水は、ショーツの股間とお尻の部分に、たっぷりと水分を含
ませ、溢れ出た滴がぴちゃぴちゃと便器の中に落ちていった。
「むうう、むううっ!!」
鼻を大きく広げ、酷使した身体に酸素を取り入れる愛に対し、詩織はショーツの中か
ら右手を抜いて、彼女の目前にかざした。
「もう、こんなにしちゃって、・・・高校生にもなって恥ずかしくないの?」
うっすらと湯気を発する詩織の手の水気が、自分の粗相によるものだと判る愛は、恥
ずかしさで熱したように顔を赤らめる。
「替えの下着は持ってるの?」
コクリと愛がうなずくと、詩織は「ふう」とため息をつき、表情から力みを抜いた。
「それならいいわ。
じゃあ、今日の夜はどうするの? 明日休みだし、私の家に来る?」
詩織の質問に、しばし考えを巡らした後、愛は再びうなずいた。
やがて、あたりに人の気配がないことを確認して、二人はトイレを後にした。
「じゃあ、待ってるからね」
詩織は天使を想像させるような笑顔を浮かべ、自分の教室に戻っていったが、愛には
その下に全く逆の成分を感じ、人知れず身震いした。 たとえ、それが自らが招いた事
だと判っていても・・・。
その日の夕方、薄いクリーム色のワンピースに着替え、外泊の荷物を抱えた愛が、詩
織の家の玄関のチャイムを押した。
しばらくして、入り口のドアを詩織が開け、両親との挨拶もそこそこに、愛を自分の
部屋のある2階へと招き入れた。
階段を上がる時、愛の顔のやや上の位置に詩織のピンク色のミニスカートがあった。
ひらひらと揺れるスカートの裾が、愛には妙に気になった。薄手の生地なのは見た目
で判るのに、ショーツのラインが全く感じられないのだ。
”まさか、詩織ちゃん・・・”
彼女は頭の中で否定をしてみたが、それは一種の確信に近いものがあり、実際、的中
していた。
自分の部屋に入るなり、詩織は振り向き愛の方を向いた。
愛に荷物を下ろさせると、詩織は両手で自分のスカートをめくり上げた。
「詩織ちゃん・・・」
戸惑うように声を上げた愛だったが、それは彼女が想像していたことであった。
詩織はスカートの下に何も着ていなかった。髪と同じ緋色の草むらが三角地帯を形成
して、白い素肌と見事なコントラストをなし、エロティックな視覚の香りを撒き散らし
ていた。
「とぼけてないで、メグ。する事は判っているでしょ。早くして」
そう言った詩織の口調には、学校では誰もが聞いたことのない、冷徹な響きが含まれ
ていた。
「は、はい」
すると愛は、それが当然のように詩織の前で跪き、湿り気を帯びた草むらにピンクの
唇を埋めた。
「臭いでしょ? 今日はあれからトイレで拭いたりしてないのよ。それにそろそろ生理
が来る頃だから、下り物もあるかもしれないな」
詩織のいう通り彼女の股間には、むせ返るような鼻を刺激する独特の匂いが漂ってい
た。女性特有の、果物が柔らかく熟した時に発せられる香りを、さらに濃縮したような
匂い。人によっては悪臭と分類されるような香りではあったが、愛は構わず下を尖ら
せ、その奥地へと潜り込ませた。
「あん」
詩織が軽く声を上げた。
愛の硬度のある舌先が詩織の突起をねぶり、そこから生まれたバイブレーションが詩
織の知覚神経を伝って全身に広がったのだ。
スカート持っていた手が緩み、ピンクの生地が愛の後頭部を覆う。その生地の上から
愛の頭を掴み、さらに奥へと誘導する。
「もっと、もっとよ。ちゃんとしなきゃ、いじめてあげないんだから!」
その声に促されたかのように、愛のサーモンピンクの先端がリズミカルに動き始め、
泉のように愛液が溢れでるクレヴァスを、縮れた緋色の体毛を、そして充血し膨れ上が
ったクリトリスを執拗になぶり始めた。
「ぐ、ぐうぅぅぅ、むん!」
その荒々しくも、女性独特のソフトなタッチがもたらす快感に、ともすると我を失い
声を上げそうになる詩織だったが、歯を食いしばり必死に押し殺した。
普通に生活する分には問題のない防音レベルの家ではあるが、さすがに声を荒立てて
は階下の両親に知れる事となる。それはさすがにまずい。
それに声を上げてしまう事によって、感じている事を露にするのはいやだった。特に
愛にそれを知られてしまうのは、たとえ事実であっても避けたいと言う心理が働いてい
た。
気が付くと、後方の机に左手をついてバランスを取り、愛の頭部を受け入れ易いよう
に右足を上げている詩織だった。
ジュクジュクと言う音が静かに響く室内には、詩織の股間から発せられる淫らな香り
が満ちていた。
ここに両親が入ってきたら?
服を着ているから視覚的には誤魔化せるだろう。だが、この匂いは、それだけで十
分、両親に異変を感じさせるだろう。
”ふふふ、ただでは済まないわね”
冷静な部分の詩織はそう考える。その危ない想像が、さらに詩織の快感を高める。
”ああ! いい! メグ、いいわぁ! も、もう、イク、イキそうっ!”
頭の中が真っ白になり、脊髄に熱い電流が流れたような錯覚を覚え、詩織は全身を震
わせた。
がくがくと顎が意思に反して踊り、唇の端から唾液が伝う。
彼女自身が隠そうとしても、絶頂に達した事は傍からでも充分に見てとれた。
息をする事さえままならないのに、詩織はようやくの事でこう言った。
「まあまあね」
疲労感さえ漂ううっとりした表情で、詩織は愛の頭を抑え自分の身体を放し、詩織に
とって左手の壁側にある洋服ダンスに歩み寄った。
「あ、あの」
何か訴えるような仕種の愛に構わず、引き出しから白いショーツを取り出すと、さっ
さと部屋を出て行ってしまった。
足音と物音で、2階にあるトイレに入った事は判ったが、愛は切なそうに、もじもじ
と身体を持て余す事しかできなかった。
しばしの時間が流れ、詩織が部屋に戻ると、力なくしゃがみ込み、うっすらと涙目に
なっている愛がいた。
「あら、どうしたの? そんな顔をして?」
「そんな・・・、意地悪しないで、詩織ちゃんだけ・・・」
「私だけ、何?」
「詩織ちゃんだけ、気持ち良くなって・・・」
恥ずかしそうにうつむきながら、か細い声で愛が言った。
詩織も膝を曲げ、愛と視線の高さを合わせる。そして今度は、はっきりと判る冷たい
声で答えた。
「間違えないで。メグはもうイッちゃったでしょ?
それも学校のトイレで、オシッコ漏らしながらね」
その声に、愛の表情は熟した柿のような色になり、床に視線を落としてしまった。
「そんなぁ、それは言わないでぇ」
「ふふふ、そうね。そんなのは別に珍しくない事だもんね」
冷笑を浴びせられ、愛は一言も返せない。
「メグは声が出ちゃうから、今は駄目よ。宿題を片付けて、夕ご飯を食べて、お風呂に
入ってから・・・よね?」
その問いかけに、愛は不満そうであるが、力なく頷くしかなかった。
通常ならば何の事はない時間が、愛にとって苦痛なものになった。熱でもあるかのよ
うに常に顔を赤らめ、呼吸はいつもより早いリズムを刻んでいた。
夜もふけた頃、交代で入浴したのだが、そそくさと終えた愛に対して、詩織はまるで
焦らすかのように、長風呂をした。
磨き上げるように身体を洗い、髪を洗い流す。ようやく長湯を終え、脱衣所に出る
と、すりガラスの向こうに、イエローのパジャマで立つ小柄な人物が見えた。
それが誰かは考えるまでもない。
一糸まとわぬ姿で詩織が引き戸を開けると、そこに立っていた愛は、その瞳から涙を
落とし、右手はパジャマのズボンに潜り込み、秘部をまさぐっていた。
「誰が自分でして良いって言ったの? それなら家に泊まりに来なくってもいいじゃな
い」
「そんな、・・・そんな意地悪しないで、お願い、・・・私、もう・・・」
そう哀願する愛の切ない声に、詩織は「やれやれ」と言った表情を浮かべる。
「メグったら本当にいやらしい娘ね。そんなにして欲しいの?」
「うん、して。エッチしてぇ。お願いぃ」
「しょうがないわね。だけど、ここでと言うわけにはいかないでしょ? 先に部屋に戻
っていて、すぐに行くから」
「うん」
愛が足音を立てないように早足で戻るのを見てから、詩織はバスタオルを身体に巻き
付け、身につけるはずだった下着とナイティを手に取って部屋へと向かった。
部屋に入ると、もう照明が消され、真っ暗な闇の中だった。
ドアを締めるが早いか、愛が詩織に抱きつき、唇を合わせ、吸い付くようにキスをし
てきた。
舌を絡ませ合い、ねっとりと唾液が交換された後、愛の唇が詩織の頬から首筋、肩口
へと降りていく。
「ああ、詩織ちゃん、詩織ちゃん」
愛は譫言のように声を漏らしながら右手でバスタオルをほどき、詩織の小高い丘の小
さな果実に唇が触れようとしたその瞬間、詩織は愛を突き飛ばした。
バランスを崩した愛は、よろよろと後ろに下がりベッドに行き着くと、そのままドサ
リと腰を下ろした。
「この辺でいいわ。メグがしたいのはこんな事じゃないでしょ?」
闇の中、愛が頷くと詩織は続けた。
「脱いで。・・・全部よ。そしたらベッドに座って足を広げるの。いいわね?」
再び頷き、愛は言われるままにパジャマを脱ぎ始める。暗やみの中に衣擦れの音だけ
が流れた。
ぼんやりと浮かんだ愛の裸のシルエットが、ベッドの上で足を広げた。
「・・・これでいい?」
消え入りそうな声で愛が聞く。
「そうよ。そのままで動いたら駄目よ。何があっても足を閉じたりしたら、もうしてあ
げないからね。判った?」
「うん」
愛が不安ながらもそう答えると、詩織は学習机に歩み寄り、引き出しを開け棒状のも
のを取り出した。
愛のところに近づき、腰をかがめる。それは愛の股間をのぞき込むような形になる。
「あ!」
思わず愛が声を上げた。不意に詩織の手元がパッと輝き、小さな灯りが愛の茂みを照
らした。詩織が持っていたのはペンライトだったのだ。
反射的に両足を閉じようとした愛だったが、直前の詩織の言葉を思いだし、羞恥心と
必死に戦いながら踏み止まった。
「ふふふ、こういうエッチに関しては、ホント良い娘ね。
でも、メグのオマンコ、じっくり見た事なかったけど、結構グロテスクね。
こんなにびらびらにしちゃって、オナニーのしすぎなんじゃないの?」
卑猥な言葉を投げ掛ける詩織に対して、愛は瞳を固く閉じ、小刻みに身体を振るわせ
るのみだった。
愛の秘部は、幼い顔付きと華奢な身体からはとても想像できない、濃く深い、アンダ
ーヘアの茂みの奥にあった。
なんの処理もしていないビキニラインは、体操着のブルマーやスクール水着から容易
にはみ出してしまうのではないかと思えるほどだった。
詩織の言う通り、その秘部もまた外見からかけ離れた姿をしていた。そのギャップは
淫賄な様相に更に拍車をかけるものだった。
羞恥心が全身を包み込み硬直させるのだが、芯はなぜか熱く火照り出していった。
「あら? なーにこれは? 何もしてないのに中から溢れてくるのは?
なーんて、メグのジュースなのよねぇ。メグはエッチな事をされればさ去れるほど悦
ぶ変態っ娘なんだもんねぇ?」
「いや、いやぁ」
「嫌じゃないでしょぉ? 今日だって何? 男の子に近づいたぐらいでエッチな気分に
なって、私に助けを求めてきたんじゃない。
男子には恥ずかしがりって事になってるけど、本当は男の子大好きなのよね。
だけどそんな事が知られたら大変だから、逃げちゃうのよね。
それがメグの正体。ほーんと、いやらしいんだから」
「ああ、もう、やめてぇ」
「嘘ばっかり。口ではそんな事言ったって、どんどん溢れてくるじゃない?」
そう言って、詩織は指で溢れ出る粘液をすくった。
「ひゃん!」
「ほら、ちょっと触れただけで、声が出る。そう言うのをインランって言うのよ。
淫乱で変態で、エッチでいやらしくて、オナニーが大好き。おまけにマゾ。まったく
呆れっちゃうわね!」
「ああ、嫌あ、いや、もう言わないでぇ」
ぽろぽろと大粒の涙を流し愛は懇願するが、身体は全く逆の反応を示し、さらなる刺
激を欲しがっていた。
それは愛本人のみならず、詩織にも判っていたことだった。
それを知った上で、今度は言葉による責めから、直接的な責めへと移行していった。
手にしていたペンライトを、そのまま愛に突き刺したのだ。
「ズブズブ」まるでそんな音が聞こえてくるようだった。
「あぁん!!」
熱を伴ったライトの電球部分が、愛の中に埋没していく。
「熱い? そうでもないでしょ?」
そう問いかけても、愛の返事はない。だが、何の抵抗も示さない秘唇がその代わりに
答えていた。
愛の無言の答えに気を良くした詩織は、ペンライトをこねるようにして愛の中をかき
回した。
「ん、ぐううっ!!」
愛は唇を噛み、声を押し殺す。が、熱く硬い棒状のものが秘部を揺さぶり、その度に
電流のような快感が全身を震わせ、その努力も費えようとしていた。
「ああ、いや、いやあ」
震える声でわななき、いやいやをするように首を振る。
「何が嫌なの? 気持ちいいんでしょ?」
「あぁ、気持ちいいけど、・・・詩織ちゃんの指がいいのぉ」
からかうような詩織の声に、愛は戸惑うような素振りで訴えかけた。
だが、詩織の行動は冷酷なものだった。まだ膨らみ切っていない愛の左胸。そのピン
ク色の乳首に激痛が走る。
「痛いっ!」
愛がその痛みの原因を知るのには多少の時間を要した。暗闇の中、自らの胸の先に小
さな物体が食い付いているのが見えた。それは洗濯ばさみだった。
「私に指図する気? メグは私のおもちゃなのよ。
黙って言う事を聞くの!」
「だ、もう我慢できないのぉ」
”パチッ”
「あっ!」
小さく響く音と共に、今度は右胸を痛みが襲う。
その理由は今度はすぐに判った。思わず手で洗濯ばさみを取ろうとした愛だったが、
詩織が機先を制した。
「あら? 取っちゃうの? 私に逆らうのね?
ならいいわ。今日はここまでよ」
そう言いつつ、愛に埋め込まれていたペンライトを引き抜いた。
「そ、そんな・・・」
消え入りそうな愛の声に、詩織は勝ち誇ったような表情を受かべる。
「そんな・・・何?」
「ひどいよ、詩織ちゃん。こんな中途半端にするなんてぇ」
愛の声はもはや涙声となっていた。
「じゃあ、どうしたいの? 私はどうしたらいいの?」
「・・・イカせて・・・」
「え? 何?」
精一杯の声量を出したつもりだが、詩織は聞き返した。
実際、聞き取れなかったのだ。
「イカせてぇ、お願いだからぁ。これは取らないからぁ。
もう、イカせてぇ!」
暗やみではっきりとは見て取れないが、もはや愛の表情は涙でぐしゃぐしゃになって
いた。
それが身体の奥からぞくぞくとした快感を産みだし、詩織を包んだ。
『なんて可愛いのかしら、メグ。たまらないわぁ』
そう思わずにはいられなかったが、愛の秘部に指が触れた瞬間、口から出た言葉は、
それとはかけ離れたものだった。
「もう、本当にどうしようもない変態ね! 洗濯ばさみを乳首にはさんで悦んでいるな
んて。
これが友達かと思うと恥ずかしくてしょうがないわ!!」
詩織の言う通り、痛いと言う愛の言葉とは裏腹に、彼女のクレヴァスはねっとりとし
た愛密を、だらだらと垂れ流していたのだから。
そんな詩織の言葉も、彼女の指がクレヴァスに触れた事による快感のため、愛の耳に
は届いていなかった。
半分白目を剥き、唇の端からは涎を垂れ落としながら、愛は享楽を貪っていた。
その様には、もはや人間としての知性のかけらもない。そこには貪欲に性本能の赴く
ままに行動する、一匹のメスがいた。
詩織はクリトリスを、やや強くつまんだ。
「ひぎぃっ!!」
愛が吠えるような声を上げる。詩織もそれを気にするような冷静さを持ち合わせては
いなかった。
「気持ち良いのね? 痛いのが気持ち良いのね?」
「あが、あぐ、むううぅ!」
愛の返事はもう肯定なのが否定なのか、判別つきようがなかった。それ以前に、詩織
の声が届いているかどうかさえ怪しい。
だが、その狂態は、質問すること自体がバカバカしいと思えるほど、愛の感じ方を物
語っていた。
「イキたいのね!? イキなさい! この変態マゾ!
イッちゃいなさい!!」
詩織の指がさらにクリトリスをつまんだ。
「ぐがあああぁっ!!」
その瞬間、びくびくと痙攣させつつ、愛の体が硬直した。
それは愛にとって、辛辣で痛烈、非情な仕打ちの甘美な絶頂だった。
愛が目を覚ますと、すでに夜が明け、やや高くなった日差しが、そろそろ午前の終わ
る事を告げていた。
ベッドの上で上半身を起こし、ぼうっと辺りを見回す。それは見覚えのある詩織の部
屋だった。
しばらく、自分がどうしてここにいるのかさえ理解できなかったが、昨夜の記憶がよ
みがえるにつれて、状況が理解できた。
改めて自分の姿を確認して、ささやかな驚きの感覚が沸き起きた。
ちゃんと下着を付け、パジャマまで身につけているのである。
絶頂に達した後、記憶のまったくない愛には、どうしても理解できないことだった。
その時、軽い軋み音と共にドアが開いた。
「あら、メグ、起きてたの? おはよう」
そこにはティーポット、ティーカップ、そしてトーストを載せたトレーを持った詩織
がいた。
「あんまり気持ち良さそうに寝てたから、とりあえず朝食だけ、持ってきたのよ」
そう言った詩織だったが、何か言いたげな愛の様子に、それを尋ねた。
「どうしたの?」
「・・・服・・・」
「服?・・・ああ、私が着せてあげたわよ。感謝してね」
「・・・見た?」
単語でしか質問できない愛に対して、詩織はさも嬉しそうに答える。
「そりゃもう、隅から隅までね。
メグったら、可愛いんだもん」
にっこりと笑ってそう言った詩織に、愛はシーツに顔の下半分を埋め、頬を真っ赤に
染めて恥ずかしそうに言った。
「もう、詩織ちゃんの意地悪」
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