目次のページに戻る
メインページに戻る
早乙女優美、好雄編
それは気怠い梅雨時、休日の夕暮れだった。
「ゆみの部屋 ノックを忘れずに(特にお兄ちゃん!)」
と書かれた、コルク地の板が掲げられたドア。その部屋の中に早乙女優美はいた。
ベッドの上で裸になり、大粒の汗を流していた。息も荒い。
そして、ベッドの上は、彼女一人ではなかった。
「もう、お兄ちゃん。もう駄目なのぉ!?」
”お兄ちゃん”と呼ばれた兄、早乙女好雄はベッドに仰向けに寝ていた。やはり裸で
ある。
「もう駄目ったって、おめぇ、これで7回目だぞ!! もう、なにも出ねえって!」
優美は好雄の腰のあたりで四つん這いになり、力なくしなだれている好雄のペニス
を,右手で弄んでいた。
「出なくてもいいから、元気になってよぉ。優美、もっとしたいよぉ。いつもなら、も
っと出来るじゃん、どうしたのぉ?」
「どうしたって言っても、こういう時だってあるんだぜ。男にゃ」
そう反論しつつ、好雄は思った。
『やれやれ、優美にも困ったもんだよ。
どうして、こんなになっちゃったんだか・・・』
実の所、好雄にそんなことを言える権利があるかどうかは、非常に怪しい。
”あの時、あの娘にフラれなけりゃなぁ” 何度そう思ったか知れない。
約1年前の中学3年の卒業式の日。好雄は片思いの女子に告白して振られた。
確かにそれはショックだったが、それ自体は、ある程度覚悟していたことだったか
ら、あきらめもついた。
”2、3日は落ち込むだろうけど、すぐに立ち直れるさ”
そんな事を思いながら、卒業式の翌日は、自室のベッドで、パジャマのまま、ふて寝
を決め込んでいた。
だが、そんな気持ちを知ってか知らずか、白いTシャツとショートパンツ姿の優美が
入り込んで来た。
格闘技好きの彼女は、普段から好雄を相手に技を掛けたりしてきた。好雄も表情こそ
嫌そうにしていたが、内心ではそれを楽しんでいるようだった。「じゃれる」と言う表
現が当てはまる行為だった。
優美にとって、その日も日常の事だったが、好雄にとっては違った。
「よせよ。今はそんな気分じゃねえの!」
と、あからさまに邪険にされた事で、不機嫌な気分が伝染した。
「なによ! 卒業して暇だろうから、遊んでやろうと思ったのに!」
「大きなお世話だ!」
「大きなお世話で悪かったね! 第一、こんな休みの日に、他に行くところないの!?
彼女と一緒に行くとかさあ!?」
『ぐっ!』
声にこそ出さなかったものの、痛いところを突かれ顔に出る。
それは優美にも判った。
「あれぇ? なんか好きな人がいるようなこと言ってなかったっけ?
判った。フラレたんだ。だから、機嫌悪いんだ。そうかあ」
「・・・」
図星を刺され、好雄は黙り込むしかなかった。調子にのって、優美は更に続ける。
「可愛そうに。こんな春のいい天気の日に、落ち込んじゃって。
・・・ま、お兄ちゃんじゃ、しょうがないのかもねぇ」
優美は自分が言い過ぎたことに気が付かなかった。少なくとも、この時の好雄には、
優美の言葉は辛辣すぎた。
頭の中で何かが切れる音がした好雄は、烈火のごとく怒り出した。
「俺じゃ、しょうがねえとは、どういう意味だ!?」
「・・・え?」
「優美、てめえ! 人をバカにするのもいいかげんにしろっ!!」
予想外の反応に、ビクッと身を縮める優美を、好雄はそのまま力付くでベッドに押し
倒した。
「い、痛っ! 痛いよぉっ!」
「うるせえ! 人をバカにしやがって」
力任せに両肩を押さえ込まれ、優美の中に好雄に対する恐怖心が芽生える。
「ちょ、や、やめて・・・」
だが、それで好雄の暴虐は終わる事はなかった。むしろ、その恐怖が浮かんだ表情
が、好雄の奥の残虐性と本能に火をつけた。 完全に麻痺した理性は、その火を消すこ
とが出来ない。
いつの間にか成長し膨らんだ優美の胸が、馬乗りになっている好雄の視覚を刺激す
る。
もう止まらなかった。好雄は優美のショートパンツに手を伸ばし、むりやり引きずり
下ろした。
「や、やだ! ・・・お兄ちゃん、やだ!」
「うるせえっ!! 静かにしろ!!」
その直後、両頬が火傷したような痛みが走る。それが好雄の平手打ちされた事による
痛みだと判ると、その痛みと好雄の怒鳴り声に、優美は恐れおののいた。
ここにいるのは普段知っている兄ではない。性に走る、凶暴な人間の雄だという事に
気づいたのだ。
急に歯がガチガチと鳴りだし、それを止める事がどうにも出来なかった。
助けを呼びたくとも、家の中には二人以外いないし、もはや声も出ない。
優美が抵抗しなくなると、好雄は本能の命ずるまま行動を始めた。
白地にピンクの水玉がプリントされたショーツの中に、お腹の部分から右手を潜り込
ませる。
「!?」
淡く茂った草むらの、ジャリッとした感触があった。知らぬ間に、妹が大人の身体に
なっていたと言う事実に、好雄の脳髄が早鐘を打つ。
優美は全身を硬くして、好雄の指を受け止めた。生まれて初めて、”男”の指を許し
た事は、彼女の神経をビリビリと刺激した。
『ごめんなさい、ごめんなさい。・・・お兄ちゃん、ごめんなさい』
ぐちゃぐちゃとして整理の付かない思考の中で、優美はそれだけを繰り返してい
た。
優美は従順だった。好雄がショーツを脱がそうとした時、自ら腰を浮かして、それを
助けた。自分の言葉で好雄が傷ついたのだと言う考えを、優美は恐ろしさの果てに持つ
ようになっていた。
その怒りが治まるのなら、何でもしなければ。そういう思考を経ていた。
ショーツが脱がされ、下半身には靴下だけとなる。
好雄もパジャマを脱ぎ捨て、下半身が裸になる。優美の両足を広げると、そのまま身
を押し入れた。
『濡れてやがる』
優美の部分を触れ、好雄はそう思った。だが、それは意味が違った。
確かに優美は濡れていたが、それは失禁によってもたらされたもので、決して感じて
のものではない。だが、経験のない、知識のみの好雄にとって、その判別がつかなかっ
たのだ。
ペニスに手を添え、そのまま押し進めると、優美の太ももが、腰の脇に触れた。この
先の世界を想像し、起きかけた理性を眠らせた。
一方の優美も、好雄の腰が内股に触れたことで、それから起こる事を想像した。
それが現実となった。焼けた棒のような物が、優美自身に押し当てられ、それが無遠
慮に分け入ってきた。
「があっっ! い、痛いぃぃ!!」
ヴァージンが破られる痛みに、優美は叫び、涙を流した。
逃れたくとも、両腰をしっかりと捕まれ、それもかなわない。
身体が裂かれるような痛みが身体を貫き、それ以外の感覚が奪われた。口がわなわな
と震え、唾液があふれ出し、しずくとなって漏れた。
好雄の腰がグラインドされ、内蔵をかき回されるような感覚が優美を襲った。
「が、あ、あ、あ、あああっ!!」
優美の瞳は白目を剥き、精神が壊れるかと思ったその瞬間、終わりがあっけなく訪れ
た。
「うおうっ!!」
それまで黙り込んでいた好雄が、猛獣のように吠え、ペニスを引き抜く。その直後、
熱く妙ぎった黄色みを帯びたスペルマが、白いTシャツを汚した。
勢い良く飛び出した欲望の水滴は、それだけではなく、涙と涎でぐちゃぐちゃになっ
た、優美の顔まで飛び散った。
『優美、もう、ヴァージンじゃ、ないんだ』
白濁化した意識と視界の中、優美は思った。
やがて、理性を取り戻し始めた好雄は、自分がとんでもない事をしたと悟った。
なんと言ったらいいのか? なんと言おうと、もう取り返しがつかない事は知りつつ
も、必死に考えていると、優美の嗚咽する声が耳に届く。
”ごめん”と、好雄が言おうとした時、それを言葉にしたのは優美だった。
「ごめんなさい。・・・優美、・・・ひどいこと言っちゃったんだよね。
・・・優美、なんでもするから、許して。・・・お願い」
好雄は驚いた。同時に”しめた”とも思った。優美は、これが自分のせいだと思って
いる。ならば、それを利用してやれ。妹だろうとなんだろうと、本人が良いと言ってい
るんだから。・・・と。
理性を取り戻したとは言え、あの、めくるめく気持ち良さの前には、悪魔の囁きに抗
する事は、まだ蒼い好雄には出来なかった。
それから、両親のいない時を見計らって、優美の身体を要求するようになっていっ
た。
だが、それが数カ月もすると様相が変わって来た。
度重なる好雄との性行為によって、優美自身の性感が開発されてしまったのだ。
半年後には、逆に優美の方から求めるようになってしまった。
好雄は優美以外の女を知らないので、優美が名器の持ち主だと言う事に気が付いてい
なかった。
一旦ペニスを飲み込んだら、強烈な快感で萎える事を許さない。さらに童顔に似合わ
ない豊満な肉体と、場数を踏んだような腰つきで、その気がなくとも絶頂まで導いてし
まう。
付け加えると、優美は明かに、”好きな”女の部類だった。
何度やっても、更に求めて来るのだった。
今では、すっかり立場が逆転し、ベッドでの主導権は優美が握っていた。
好雄がそんな事を思い返しているうちに、優美の口の中で、好雄のペニスが硬度を増
していった。優美はこういう技術をどんどん覚えていったため、なかなか好雄を解放し
てくれない。
「へへへ、おーし、元気になってきた。入れるよー」
慣れた手付きでコンドームを付け、優美は好雄の足の方向を向き、彼をまたいで立ち
上がる。そして、そのまま膝を曲げ、腰を落とす。
彼女自身が勃起させた肉棒を手に持ち、自らの割れ目に埋め込む。
「ああ、いい! 気持ち良いよぉ。優美、気持ち良いよぉ」
ゆらゆらと腰を揺らしながら、譫言のように優美が言う。はしたなく広げられた白い
ヒップからは、時々アヌスが見える程だった。好雄はその姿を見ながら顔をしかめた。
『あーあ、そんなにケツ丸出しで、何とも思わねえのかよ。全く、この淫乱が。
そんなに良いのかよ? ・・・と、言えないんだよなぁ。俺も』
一時の回数がこの辺りになると、かなり苦痛を伴うようになっていた。
いきたくとも出すものがないため、結果的に長持ちすることになる。それがかなりの
や体力を消耗させる。
だから、したくはないのだが、優美の中のとろけるような快楽に、ついつい回数を重
ねてしまうのだ。
「あ、あ、あ、あ、あ、ああああああああっ!!」
やがて、深く高い絶頂が優美を襲った。尿をしぶつかせ、身体を痙攣させながら優美
は失神した。
その後、両親が帰って来て、危うく見つかるところだったが、何とかその前に優美は
目を覚まし、両親の前では普段の兄妹の姿に戻っていった。
もっとも、両親が帰ってこなければ、あと数回求められただろうな。と好雄は思って
いた。
「いたたた」
翌日。学校での昼休みの教室。好雄は腰の辺りを手で押さえた。
理由は明白。前日のセックスが効いているのだ。他にも太ももや二の腕も、筋肉痛の
悲鳴を上げていた。
机に突っ伏して、自分の状況を考えた。
『あー、このままじゃ、マジで体もたねえぞ。・・・なんとかせにゃぁな』
「おい、早乙女」
彼を呼ぶそんな声で、好雄は身を起こした。
「なんだ、お前か?」
それは好雄の親友で、名前を宮野孝幸。中学からの付き合いである。
宮野は好雄の反応に不満を漏らす。
「また、ずいぶんな言い方だな。なんだはないだろ。・・・まあ、いいや。
一つ聞きたいんだけど?」
「また、女の子の事か?」
「な、なんで判るんだよ?」
『バレバレじゃんか』
好雄は思った。この宮野と言う男、人当たりは良いし、性格も穏やか、勉強もスポー
ツも万能。加えてルックスも人並み以上である。
だが、一つだけ欠点があった。非常に気が多いのだ。一言で言って「プレイボーイ」
なのである。
トラブルや悪い噂が立ったり、同性の妬みを買ったりはしないが、どういうわけか長
続きしない。このきらめき高校での1年とちょっとの間で、付き合った女の子は両手の
指では足らないほどである。
好雄は女子生徒の情報には詳しい。それもあって、よく聞きに来るのだ。
「で、誰の事を聞きたいんだ?」
メモ帳を取り出し、好雄は聞いた。だが、宮野は、なかなか切り出さない。
「いやあ、実は、お前の家の優美ちゃん。彼女の事が知りたいんだ」
好雄は椅子の上で、少しだけずるっと滑った。
「なんだお前!? 今度は優美が良いのか!?」
「そういう訳じゃ・・・」
と言うが、その様子はとてもそうは見えない。
「隠すな隠すな、へぇー、お前が優美をね・・・」
『よくもまあ、お前のような奴が、優美なんかを』
好雄はそう思った。
宮野は、基本的には悪い奴ではない。それが好雄の認識だった。恋愛なんてのは時の
運もあって、上手くいかない事が続くことだってある。それが証拠に、宮野と付き合っ
ていた女子生徒で、彼を悪く言うものは一人もいない。そんな宮野が選りにも選って、
妹の優美を。あんな淫乱女をねえ・・・。
そう考えると、思わず、笑みがこぼれる好雄だった。
「よし、特別に教えてやろう」
と言った好雄だったが、『待てよ』と思い止まった。
目まぐるしく考えを巡らすと、ぽつりと口を開いた。
「お前、口は固いよな?」
「え? そのつもりだけど」
実際のところ、聞くまでもない事だった。宮野の口の固さには定評があった。それが
次々と女の子と付き合える一因でもあった。
「じゃあ、今度の日曜日、空けとけ。面白いことになるから」
「?」
好雄は面白そうに笑ったが、宮野には、なんの事だか、さっぱりだった。
指定された日、宮野に与えた好雄の指示は、かなり怪しげな物だった。
家に来る前に、一度電話を入れさせ、20分後に来るように言われた。家に着くと、
今度は、履いてきた靴を持ったまま自室に通された。
それだけで十分に異様な雰囲気なのに、さらに「これから優美の本当の姿が見れる
ぞ。だけど、そうとうショッキングな事だから、絶対に何も言うなよ。それから、合図
したら出て来て、言う通りにするんだぜ」と、話が見えない事を言われた。
極めつけは、部屋の押し入れに隠れ、開いた襖のすき間から覗いているように言われ
た事だった。
だが、宮野は逆らわなかった。
むしろ、これから起こる事に対する好奇心があった。期待感と言い換えても良いだろ
う。好雄の表情や物腰、そして目が、言外にそう物語っていた。
言われた通り、宮野が押し入れに隠れると、程なくドアをノックする音がして、優美
が部屋に入ってきた。
「ただいまぁ。コンちゃん買って来たよお」
そう言って、優美はビニールの買い物袋を好雄に投げた。
「もう、さすがにコンドームだけじゃ買いにくくって、余計な物まで買っちゃったよ」
『!?』
優美の言った意外な単語に、宮野は驚いた。だが、さらに衝撃的な光景が見えた。
何の抵抗もなく、優美があぐらをかいていた好雄の膝に座ったのだ。
「でも、珍しいね。お兄ちゃんから、Hしようって言うなんて。優美、嬉しいよ」
宮野は信じられなかった。と言うより、今、自分の目の前で起こることが理解できな
かった。 自分の親友と、その妹がまさか。と思ったが、その光景から目を離すことが
出来なかった。
そんな宮野に見せ付けるように、好雄は優美の服を脱がせ、柔肌を露にする。
ごく自然にキスを交わし、ベッドへと移っていった。
優美にも、今日の好雄がいつもと違う事に驚いていた。
『どうしたんだろう、今日は? やる気あるみたいだ』
そう思うと、なんだか胸がドキドキして来た。
自分も服を脱ぐと、好雄は優美にアイマスクを差し出した。
「?」
一瞬きょとんとした表情を浮かべた優美だったが、すぐにその意味を理解した。
「これをつけろって?」
好雄が頷くと、優美はけろりとした顔で答えた。
「面白そうじゃん」
視界が奪われた優美は、その直後に脇腹に何かが触れるのを感じた。
「やん! くすぐったいぃ!」
身を捩らせて逃れようとするが、思い通りにはならない。恐らく、それは好雄の指だ
ろうと判ったが、見えないと言うのは、予想以上に刺激があった。
さらに好雄が何も言わないため、次に何をされるか、全く予想がつかない。
『なんだろ? ちょっと、ぞくぞくしてきたよぉ。結構、こういうのもいいかも』
肩や腕、背中への軽いタッチが優美の快感を震わせる。
突然、両方の胸の乳房を鷲掴みにされ、強く揉まれた時には「あん!」と声が出てし
まった。
視界を奪われた闇の中、好雄の手が、まるで見知らぬ男のもののように感じられ、股
間がぬるぬるとして来た。
「ああっん。お兄ちゃん、いいよぉ。すごくいいよぉ!」
はしたない声を上げたが、好雄の反応がない。普段なら、何か言ってくるのに。
このまま声を出さないつもりなのか? と優美が思い始めた頃、太ももに触れる手が
あった。じわじわとじらすように、優美の部分に近づく。
「もう、早く触ってよぉ、優美のに触ってぇ」
たまらず優美は甘えた声を出す。いつもと違う感じ方に、彼女自身驚いていた。
ついに指が突起に達した。さわさわと触れるいつもと違う愛撫に、びくびくと血液が
流れる感じがして、快感が駆け抜ける。
「ぬぷっ」と言う感触と共に、クレヴァスに指が入ってくる。肉壁をぐにぐにといた
ぶられ、嗚咽のような声が、優美の口から溢れ出る。
「あう、おう、あはあぅ」
どれくらい時間が流れただろう、延々と続くヴァギナへの愛撫で、股間がべとべとに
なっている程だった。これ以上、もう我慢できなかった。
「やだあ、もう、はやく入れてよお。オチンチン、ちょうだぁい!」
強制もされていないのに、卑猥な言葉で懇願した。
「・・・な」
優美には、そう言う好雄の声が理解できなかった。
『な、ってどういう事?』
だが、そんな些細な疑問はすぐに消し飛んだ。優美の中に肉棒が突き刺さってきたの
だ。
「あ、ああぅ!」
乱れた声を上げ、優美は悶え悦ぶ。
だが、相手の腰に抱きつくように腕を回した時、優美は思わず声を上げた。
「や、なに? なんか違う! お兄ちゃんじゃない!!」
その感触は、彼女が知っている好雄のものではなかった。
「・・・やっと気づいたのか」
好雄の声が暗やみの優美の視界に響いた。しかし、それはまったく予想外の方向から
聞こえてきた。
「え!?」
訳が判らず、アイマスクを取った。
そこには見慣れた好雄ではなく、別の人物がいた。しかも、決して知らない人間では
ない。
「み、宮野さん・・・?」
「や、やあ」
なんとも間の抜けたやり取りがあった。
宮野は途中で、好雄に促され優美の相手となっていた。乱れに乱れた優美の姿を前に
して、好雄の誘いを断る理性はすでになかった。
だが、突然、優美がアイマスクを取るとは予定していなかった事で、そういう返事し
か出来なかったのだ。
事態が飲み込めないのは、優美にしても同様だった。
なんでこんなことになっているのか、判らないまま、宮野を受け入れていた。
だが、それも数瞬だけだった。
「や、やだっ!!」
顔を赤くして、優美は逃げ出そうとした。だが、がっしりと宮野が腰を抱きかかえ、
そうさせない。
さらに好雄が右手で優美の頭を押さえ付ける。
「やだ、じゃないでしょ? やだじゃ。さっきまで、あんなに気持ち良さそうにしてた
だろうが?」
「だ、だって、こんなの、やだよぉ」
「嘘つけ。そんな事言いながら、感じてるくせに」
「違うもん、そんなんじゃ無いもん!」
「そうかな? 宮野、動いてやれよ」
好雄に言われ、宮野が腰をグラインドさせる。
「があああ! ひいいっ!」
中をえぐられるような感覚に、優美はたまらず悲鳴のようなよがり声を上げた。
「きらめき高校1のプレイボーイのナニはどうだ? これでもまだ嫌か?」
優美は唇を噛み答えようとしない。だが、それは声に出さないだけであり、否定では
ないことは明らかだった。
それまで黙っていた宮野が口を開く。
「早乙女、お前、鬼畜だなあ!?」
「腰使ってる奴に、言われたくないセリフだね」
「そりゃそうだが、気持ち良いから止められないんだ。すごいなあ、優美ちゃんのは。
ぐいぐい締め付けてくるし、中もねっとりしてて、たまんねえよ」
「俺はこれで悩まされてるんだ。身も痩せる思いと言う奴だな」
「確かにね。これはたまらねえよ」
そんな会話の最中にも、宮野の腰はグラインドを続け、優美を責めていた。
「ぐ、っむぅん。あはぁ」
小刻みに、小さく喘ぐ優美は、いつしか口元を緩め、快楽に身を委ねるようになって
いた。自ら腰を突き出し、宮野の腰に合わせるように動かし始めていた。
「な? 自分で腰を使い始めたろ? こいつは本当に好きもんなんだよ」
好雄が少しからかうような口調で言うと、優美は苦しそうな息遣いで答える。
「違う、違うもん。そんなんじゃ・・・ないもん」
だが、優美本人も、それが本心でない事は判っていた。
(すごい! お兄ちゃんとは全然違う感じ。すごくキモチイイよお。 優美、おかしく
なっちゃう!!)
まるで蛇を連想させる宮野の責めに、優美の切れかかった思考は、そんなことを考え
ていた。
宮野が突き上げる度に、引き裂かれるような快感が優美の下半身を駆け巡り、両足が
自らの意志にかかわらず、ぶるぶると震える。
そんな猛烈な快感に翻弄されながらも、優美の腰は更に快感を得ようと、動きをやめ
ることはなかった。
その痴態に何かを感じとった宮野は、優美の片足を持ち上げ、優美の身体を横に向け
る。まるでそれがサインだったとでも言うように、優美が自らの意志でうつ伏せにな
り、尻を突き上げ、四つんばいになる。
宮野もそれに合わせて、後背位と移行し、バックから突き上げた。
「あう! ああん!!」
優美の声はますます激しく、淫らな物になっていた。
そして、宮野はあごで好雄に合図した。好雄もこういう事にはするどく勘が働く。
優美の正面に立て膝で立つと、いきり立つ自分の自分のペニスを優美の唇に近付け
る。
白目になりかけている優美の瞳が、視線を向けるのを見て、好雄が口を開いた。
「じゃあ、俺は、口でしてもらおうかな?」
優美は答えない。
「嫌いじゃないはずだぜ」
だが、好雄のその言葉がスイッチになり、優美は好雄の熱く滾った肉塊をほおばっ
た。
「むん、あぐ、むうう」
口を塞がれた優美の口から、くぐもった声が漏れ、室内に淫猥に響く。パンパンとい
う肉が弾ける音が、時折それにブレンドされ、歪んだ熱気があたりを包み込む。
その熱気に3人は異様な高揚感を憶え、息とも言葉とも取れるような音を、口元から
漏らし続けた。
ヴァギナと口の両方を責められる優美は、失神しかけていた。
こんな快感は、もちろん生まれて初めてだった。優美自身、フェラチオが好きな方だ
と知っていたが、それはあくまでも、好雄を勃たせる為の行為であり、それ自体は目的
ではなかった。
それが、同時に責められ、口の中からも快感が全身に飛び火するのを実感して、優美
は自分の口も性感帯だと思い知った。
そして、2カ所同時の強烈な快楽は、いとも簡単に優美の思考を奪ったのだった。
そんな優美を現実に引き戻したのは、好雄だった。
「宮野、変われよ。こっちもいいぜ」
と言って、宮野の位置に回り込んだのだ。宮野もすんなりとそれに従った。
「ああん」
コンドームを付け、好雄がバックから優美を貫くと、悩ましげな彼女の声が上がる。
それからさらに腰を引き寄せ、自分はベッドに仰向けになり、優美を馬乗りにさせ
る。足のほうを向いた騎乗位の形となる。宮野が好雄の膝のあたりをまたぎ、ゴムを取
り去ったペニスを、優美に見せ付ける。
「俺は、別に好雄のようにしてくれなくてもいいんだけど、優美ちゃんがしたいのな
ら、フェラして良いよ」
優美の眼前には、凶暴な印象さえ与える宮野のペニスが、赤黒く、はちきれそうに、
そそり立っていた。
宮野はそう言うが、口の快感を知ってしまった優美が、それを見ているだけで我慢で
きようはずもなかった。
「そんな意地悪しないで下さい。おフェラしたいです」
宮野も、優美の口から、そんな卑猥な単語か、こうも簡単に出てこようとは思ってい
なかったため、少々面食らったが、それは表情には出さなかった。
「じゃあ、やってくれるよね」
「はい。嬉しいです」
涙を浮かべ、優美は剛直に夢中でしゃぶりついた。羞恥心もすでに麻痺していた。
(う、うめえ。早乙女の奴、上手く仕込みやがったなぁ!)
正確には、好雄は何も教えてないのだが、優美のあまりの舌技に、宮野は好雄に嫉妬
めいたものを感じた。
好雄の股間の上で自由になった優美は、思う存分に腰を使い、好雄を貪った。
口は音を立てて宮野をくわえ、その享楽を味わった。
白目をむき、白痴のような表情に優美が陥った時、最初に果てたのは好雄だった。
「う!」
短い言葉と共に、白い濁流をゴムの中にぶちまける。
その余韻の中、やや柔らかくなった肉棒をも優美は放そうとしない。
あっと言う間に硬度を取り戻そうとした時、宮野が口を開いた。
「今度は俺だぜ」
「あん」
言うが早いか、片手で優美の左の膝を持ち、もう一方の手を背中に回し、軽々と抱き
かかえ、下から優美に突き入れる。
「あぐううっ!」
全くの初めての体位から来る、未知の快感に、悲鳴のような優美の声が上がる。
「やっぱ、生じゃなきゃな。・・・心配しなくても、中で出すようなドジは踏まないか
ら安心していいよ」
優美を振り上げたりするように揺らしながら、宮野は言った。
「あ、いや、すご、いい!! あん! もっと、もっと!
オマンコ、キモチイイよお!!!」
痛み寸前の享楽に、優美は揺れる度にはしたなく声を張り上げた。
(すげえ・・・)
好雄はそう思った。
立ってのファッキングを、軽々とやってのける宮野にも驚いたが、その宮野に必死に
しがみつき、よがり狂う妹の痴態に、背徳感が混じった強烈な興奮を自覚せずにはいら
れなかった。
お尻の穴が見えるほど足を拡げ、その秘唇からは涎のような愛汁が、ぽたぽたと床に
溢れ落ちていた。
その光景はいかにも淫猥で、なおかつ新鮮な快感だった。
誰も触れていないのに、好雄のペニスはむくむくと硬度を増し、若さゆえのエネルギ
ーに満ちた姿を取り戻していた。
だが、優美に触れることも出来ず、その光景を見つめるだけだった。それは生殺しに
近い感じであったが、我慢の時間はそれほど長くはなかった。
再び優美をベッドに仰向けに寝かせると、宮野の腰使いが更に激しさを増した。
「がああああっ!!! ひいい! すごいいぃぃぃ!!
優美、死んじゃうぅぅ!! 死んじゃうよおぉぉ!!」
もはや、性に狂ったような表情で優美は叫び、凶暴で甘美な性感をひたすら全身で受
けとめていた。
「あああっ!イクッうううう!!」
優美はそう叫び、果てた。それは今まで味わった事のない、凶悪な快感だった。
「ああ!」
宮野もそう叫び、優美の中からペニスを引き抜く。
そのまま優美の顔に向け、スペルマを一気に噴出させた。
激しく濃い、白い奔流が優美の顔に飛び散る。
「はあ、はあ、はあ、はあ」
失神と覚醒、夢と現実の狭間に彷徨いながら、優美は激しい息遣いを続けた。
壊れると思えるほど激しいSEXに、戸惑いつつも今まで以上の高みに上り詰めたと
いう実感があった。
だが、それも束の間だった。
「おい、早乙女。ぼうっとしてないで替われよ。こんどはお前の番だろ?」
「え?」
優美と好雄、二人が同時に聞き返した。宮野は好雄に対して答えた。
「何言ってんだ? 交代でするんだろ? それが目的だったんだろう。
お前がやってる間、俺は休んで、また交代して、というように、立て続けにやるんだ
ろ?」
あまりに鋭く、正確な宮野の洞察に、内心で舌を巻きつつ、好雄はコンドームを手に
取る。確かにそれが目的だったのだ。
こうする事で、自分の体力の温存と、主導権を取り戻そうという目論見だったのだ。
事の成り行きを見て、優美はひきつった笑いを浮かべながら言った。
「う、うそぉ。駄目だよ。優美、まだ・・・。
ちょっと、休ませてぇ」
「何言ってるんだよ。いつも、俺がそう言っているのに許さないのは、優美だろう?」
好雄はそう言って、優美ににじり寄る。
「や、やだあ。うそおぉ!」
優美の表情に、恐怖に似たものが浮かんだ。
その後、優美は交互に責め立てられ続け、何度、果てたか記憶がおぼつかなかった。
ベッドは、優美の液や汗、そして尿であちこち濡れており、胸、顔、背中、そして口
と言う、ヴァギナ以外のあらゆる身体をスペルマで汚さた。
天国と地獄が代わる代わる訪れ、白濁した意識の中、時間の流れや方向感覚さえ、訳
が判らなるほどだった。
そして買ったばかりの大箱のコンドームがなくなる頃、ようやく責めが終わった。
「結局、何回したんだ?」
「さあ、5回目ぐらいまでは憶えているんだがなぁ」
意識を取り戻しつつあった優美の耳に、好雄と宮野の会話が届いた。
「なるほど、このマンコに早乙女一人じゃ、身体がもたないわけだ。こんな良いのは俺
も初めてだ」
「だろ?」
「またやらせてくれるか?」
「ああ、もちろんさ。ただし、秘密は厳守だぜ」
「判ってるって」
だが、2人は知らない。2人に覚られぬように、意味深い微笑を優美が浮かべていた
事を・・・。
後書きのページへ進む
目次のページに戻る
メインページに戻る